1609(慶長14)年、加賀前田家2代当主・前田利長が高岡城を築いた際、城下の西側を商人町としました。一国一城令により高岡城は廃城となりましたが、3代利常は商工業の町へと転換を図り、やがて米や綿等の集散地として発展、高岡は越中における商業の中心地として繁栄を極めました。
当時の大動脈旧北陸道に沿う「通町」「御馬出町」「守山町」「木舟町」「小馬出町」と、「一番町」「三番町」「源平町」「二番町」、そして「坂下町」の10カ町は、「高岡御車山」を継承することから「山町」と呼ばれます。また坂下町は山車ではなく、御車山を先導する獅子頭・源太夫(げんだい)獅子を保有しています。
山町の町民たちはその経済発展を担うとともに、華麗な御車山を伝承し、誇りにしてきたのです。

形 状:箱獅子
分 類:行道獅子(神輿行列などの露払いとして先導役を務める獅子)
特 徴:露払いとして、「源太夫獅子」が御車山を先導します。

鉾 留:鳥兜
本 座:布袋和尚
幔 幕:白羅紗地剣梅鉢紋/本金糸刺繍
囃 子:越天楽・青海波
特 徴:後屏は高岡漆器の代表作といわれ、中央の唐子がからくりを行い、毎年慣例により御車山巡行の先頭に立ちます。

鉾 留:胡簶に弓矢
本 座:佐野源左衛門
幔 幕:仙境図綴錦織
囃 子:慶雲楽
特 徴:幔幕は藍地に三獣唐子遊模様を織り出した綴織で、幔幕の中では最上品だといわれています。

鉾 留:五鈷鈴
本 座:恵比須
幔 幕:緋羅紗地暈繝波濤模様/絹糸刺 繍一部金糸隈取
囃 子:振舞
特 徴:高欄は黒呂色塗り仕上げの柱組みで、龍や鳳凰などの金具を飾り、極彩色の波濤と燕が飛び交う様は見どころです。

鉾 留:胡蝶
本 座:大黒天
幔 幕:朱地綴織宝珠模様刺繍
囃 子:胡蝶
特 徴:名工・砺波屋伊右衛門丹楓(辻丹甫)の作といわれる高欄や人形をはじめ、工芸品や車輪、幕押、長押等は目を見はります。

鉾 留:太鼓に鶏
本 座:猩々
幔 幕:春秋舞楽図綴織
囃 子:迦陵頻
特 徴:高欄の豪華絢爛なさまや幕押の金具は、高岡彫金の祖、安川乾清の作であり、彫金着色の技は群を抜いています。

鉾 留:釣鐘
本 座:尉と姥
幔 幕:朱地綴織剣梅鉢紋/本金糸刺繍
囃 子:桃李花
特 徴:長押には、下地に草花を背景にした十二支の金具が取り付けられており、中でも子、寅、申は特に優れています。

鉾 留:桐
本 座:千枚分銅
幔 幕:唐垣地幕/緋羅紗地剣梅鉢紋/本金糸刺繍
囃 子:還城楽
特 徴:他の6基がすべて四輪であるのに対し、この山車だけが二輪です。御車山の金工品では最上品といわれています。